夏コミではなく、WFのカタログを買ったついでに、こうの史代の
『この世界の片隅に』を買ってきました。
彼女は68年生まれですから、私とほぼ同世代。

2004年『夕凪の街 桜の国』（双葉社）で
第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。
同作は佐々部清監督・田中麗奈、麻生久美子主演で映画化され、2007年7月公開されました。
まあ今年のアート部門の大賞『nijyuman no bourei(二十万の亡霊）』もそうでしたけど、
メディア芸術祭は、原爆をテーマにしたものが大賞をとりやすいというか。

さて、『この世界の片隅に』は漫画アクション連載中。
かつて『馬なり1ハロン劇場』も連載されていた、クレヨンしんちゃんで有名な漫画誌
ですが、双葉社の作品としては、前作同様異色かも。
今回は陸の軍都だった、広島ではなく、海の軍都だった隣の呉が舞台。
昭和19年頃の呉は全国の10大都市に入るくらいの人口で活況をみせていましたが、
昭和20年3月～7月にかけての度々の空襲で、軍港はもちろん、市街地も7/1の大空襲で
大半が焼け野原になったのですが、先日リリースされたこの作品の中巻は、初空襲までを
描いて、最後は二河公園の桜でしめています。

表紙は私が遊んでた街のかつての風景が描かれていて、その時代は知らずとも
懐かしく感じてしまいました。14Pに出てくる、蔵の風景はいまでも存在するはずだし、
私が通っていた幼稚園の近くにある場所です。

戦前は遊郭街だった、朝日町というのは、いまはマンションなどが立ち並び
私がかつてバイトをしてた中国新聞の専売店がある場所で、
幼稚園の頃は、その近所の公園によくいってて、秋になると『ウンコの臭いがする』とか
いってみんな嫌ってた銀杏がたくさんある場所でした。

丘からの風景も、昔、うちの祖母の畑があった場所からみた風景によく似てるなと。
ただ、残念なのはこうの史代の画力は味があるといえばきこえはいいんだけど
もうちょっと上手ければなあと。まあ児童文学や絵本向きなタッチなのは魅力ではあるんだが。

闇市にいって、すずが遊郭地帯に迷い込んで、長ノ木に帰れなくなってしまうところとかは
面白く、海軍の街といえば＝久々に陸に上がった水兵たちが訪れる場所といえば、遊郭と
いうことで、当時の街がいかに海軍さんに支えられていたかを知るいい設定ですね。
そこで、出会った白木リンという遊女と絵を通じて仲良くなる、すずでした。


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漫画にかぎらず、ものを薦めるときはすべて人を見る目が重要かと。
まあ、でも実際『よつばと！』は活用しだいでは、ちびまる子やしんちゃん並に化ける可能性が
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